社長が感じる兆候が決算書に表れる
所長:
売上は去年並みということですが、粗利益や営業利益が去年と比較して少なすざるということはありませんか?
多望:
いわれてみれば、確かにそうですね。
所長:
では、ちょっと、損益計算書を見てみましょう。損益計算書からは、売上はもちろんですが、売った商品の原価や売るためにかかった経費などがわかります。たとえば、仕入れや経費が増えていることけありませんか?
多望:
そういえば、最近、仕入価格が上がっているんです。そうか、だから売上原価が増えているんですね。
所長:
すると、仕入代金の支払いも増えているわけですね。今年、資金繰りが苦しくなっている原因の一つに、先ほどの売掛金の増加とこの仕入原価の値上がりが影響していると考えられますね。
多望:
そうか、決算書に原因を探るヒントがあるとはそういうことなんですね。
所長:
社長が何か感じると、その兆候が何らかの形で決算書に表れています。反対に社長自身が気づいていないことでも、すでに数字として表れていることがあるんです。だから、数字を読む力をつけておくと、経営の改善点がわかり、早めに手を打つことができますよ。決算書にもっと興味を持って、決算書は経営に役立つものだということを理解してください。
※財務及び収益の改善については次月号以降で解説します。