所得税の確定申告

所得税の確定申告

保険金など一時所得の申告漏れに注意しましょう!

所得税の一時所得とは?

所得税の確定申告が近づいてきました。個人事業者や不動産賃貸収入、資産の運用による収入などがある人は、確定申告をしなければなどのように、労働や資産の運用などによらずに得た一時的な所得についても、確定申告が必要なものがあります。(図表1)

このような一時的な所得を、所得税では「一時所得」といいますが、申告漏れが多い所得のようです。特に、サラリーマンなど給与所得の人で、例年、年末調整のみで確認申告が不要となる人は注意しましょう。

一時所得は、収入(例えば満期保険金)から、その収入を得るために支払った金額(生命保険料など)を差し引き、さらに特別控除額(最高50万円まで)を控除して計算します。

一時所得の計算式

一時所得=収入金額-その収入を得るために支払った金額-特別控除額(最高50万円)

計算した一時所得の2分の1の金額が課税所得となり、他の所得と合算して所得税額を求めます(源泉徴収「源泉分離課税」されるものを除く)。

図面1

所得税の確定申告が必要なもの
生命保険の一時金
損害保険の満期返戻金
懸賞や福引などの賞金品、当せん金品
競馬の馬券や競輪の車券の払戻金
借家人が収入する立退き料
ストックオプション契約により株式を取得する権利を行使した場合など

生命保険の満期保険金の課税所得税の計算例

満期保険金の金額:500万円
払い込んだ保険料の累計:430万円
課税所得:(500万円-430万円-50万円)x1/2=10万円

生命保険の保険金を受け取ったときは注意!

生命保険金を受け取った場合、保険金負担者や受取人が誰なのかによって、かかる税金の種類が異なります。
例えば、保険金の負担と保険金の受取人が同じ場合は、所得税がかかります。

図面2
生命保険契約の形態による課税の例

生命保険契約の形態による課税の例
種類 保険料負担者 被保険者 受取人 課税
満期保険金 夫又は妻 所得税
夫又は妻 贈与税
死亡保険金 相続税
所得税
贈与税

 

また、生命保険会社等は、個人に生命保険金等を支払った際、税務署に支払調書(支払報告書)を提出することになっており、税務署は個人の確定申告と支払調書を突き合わせることで、申告漏れがないをきちんとチェックしていますので、申告漏れにはきをつけましょう。

所得税の確定申告の必要がないもの

親族などからの贈与によって受け取った金品や不動産(別途、贈与税の確定申告が必要)
病気やけがで入院したことにより受け取った入院給付金や所得補償保険金
地震や火災、事故などにより資産に生じた損害に基因して収入した損害保険金
香典や見舞金
出産育児一時金
宝くじの当せん金など