Author Archives: 梅本会計事務所

4月1日以後でも税率5%が継続適用される取引に要注意

現行の消費税率が、平成26年4月1日(以下「施行日」)から「8%」に引き上げられますが、リース契約や賃貸料などの場合、施行日以降も旧税率5%が継続適用される取引があるので、注意しましょう。

平成26年3月以前からのリースは施行日以後も「5%」

コピー機などをリースしている場合、そのほとんどがファイナンス・リース契約と思われますが、その場合、原則的には「売買取引」とされ、リース資産の引き渡し時点の消費税率が適用されます。(図表1)

例えば、平成26年1月15日に契約し同年2月1日にリース資産の引き渡しを受けている場合、施行日以後に支払うリース料の消費税率は5%で処理することになります。
なお特例で認められている、支払の都度、リース料を費用計上する場合もリース資産の引渡し時点の税率が適用されます。念の為自社のリース契約の内容について、リース会社に確認しましょう。

注意点

オペレーティング・リース契約(残価査定額がリース料から差し引かれているなど、ファイナンス・リース以外のリース取引)は、資産の貸付とされます。
この契約では、平成25年9月30日までに契約締結するなど一定の要件を満たすものに限り旧税率5%が適用されます。

事務所や駐車場などの賃貸料で一定のものは施行日以後も「5%」

不動産の賃貸料のうち、事業用として契約している事務所、工場、倉庫、駐車場などの賃貸料には消費税がかかります(居住用として契約したアパート、マンションの賃貸料には消費税はかかりません)。
不動産の賃貸料について、平成25年9月30日までに契約し、同26年3月31日までに賃貸を開始して施行日以後も引き続き賃貸を行っている場合、次のような要件のうちいくつかを満たしていれば、経過措置で施行日以後も旧税率5%が継続適用されます。

要件

  1. 賃貸の期間とその期間中の賃貸料の額が定められていること
  2. 賃貸料の変更を求めることができる旨の定めがないこと
  3. 契約期間中「いつでも解約の申入れ」ができる旨の定めがないことなど

現実には「家賃の改定協議可能」を旨とする文言が契約書に記載されているケースが多く、その場合は、上記の要件を満たさず、施行日以後は新税率8%が適用されることになります。

注意点

  • この経過措置の適用にあたっては、契約の相手方に対して「この取引は経過措置により旧税率の適用を受けた」旨を書面(契約書、請求書等)で通知することが義務づけられます。
  • 不動産の賃貸料は、翌月の家賃を前月末に支払う「前家賃」の契約になっていることが多いようです。この場合、例えば平成26年4月分の家賃を3月末に支払うことになるので、4月分であっても消費税率は5%になります。そして4月末に支払う5月分から8%になります。

請負契約で平成25年9月30日以前に契約したものは施行日以後の引渡しでも「5%」

商品等の販売と同様、請負契約においても引渡しが施行日以後になった場合は、原則として、新税率8%が適用されます。その場合、施行日前に支払った着手金や中間金も含めた請負金額の全額に8%が適用されることになります。
ただし経過措置により、特定の取引については、平成25年9月30日までに請負契約を結んだ場合、引渡しが施行日以後であっても旧税率5%が継続適用されます。

対象となる特定の取引

  • 工事の請負に係る契約
  • 製造の請負に係る契約
  • 一定の要件を満たす測量、設計及びソフトウェア開発などに係る契約

注意点

この経過措置の適用にあたっては、契約の相手方に対して、「この取引は経過措置により旧税率の適用を受けた」旨を書面(契約書、請求書等)で通知することが義務づけられます。

土地・建物の評価はどう決まる?

相続税を計算するさいの土地評価方法には「路線価方式」と「倍率方式」の2種類があります。土地と接している道路に路線価が付されていれば路線価方式で、それ以外は倍率方式で計算します。一般的に市街地は路線価が決められていて、例年7月上旬に発表されます。

①   路線価方式

路線価方式では、路線価図に1㎡あたりの価格が示されているので、これに宅地の面積(㎡)をかけて土地の金額を求めます。坪数しかわからない場合は、坪数×3.3で面積(㎡)を求め、路線価を計算します。路線価図は、国税庁のホームページで確認できます。たとえば図の丸を付した場所に100㎡の土地(自宅として利用)を保有している場合の路線価評価額は、41万円×100㎡=4100万円となります。

②   倍率方式

路線価が定められていない土地では、土地の固定資産税評価額に地域ごとに決められている倍率をかけて評価額を計算します。固定資産税評価額は、「固定資産税・都市計画税の納税通知書」の「課税明細書」に記載されています。

亡くなった方や亡くなった方と同居していた方の自宅の宅地評価については、評価額を減らす特例(小規模宅地等の特例)を設けています。一定の条件(①被相続人の配偶者が相続する②被相続人と同居していた親族が相続して引き続き住む③①または②に該当する者が存在せず、相続前3年間に持ち家のない別居していた親族が相続する)を満たせば、限度面積(現行240㎡、平成27年以降330㎡)に達するまでの宅地の評価額を80%割り引いて評価できます。

建物(自宅)の評価額は、毎年市役所または都税事務所から送られてくる「固定資産税・都市計画税の納税通知者」に記載されている「固定資産税評価額」と同じ額です。

自己所有の不動産を他人に貸している場合の評価については、貸している分だけ財産の評価が下がる形になっています。土地の評価方法は、①自己所有の土地を他人に貸してその土地に他人が建物を建てている場合と②自己所有の土地に自分で建物を建ててそれを他人に貸している場合に分かれます。

①   …路線価方式(又は倍率方式)の評価額×(1-借地権割合)

②   …路線価方式(又は倍率方式)の評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

※借地権割合:地域によって異なります(路線価図に記載されています)

※借家権割合:30%と決められています

※賃貸割合:賃貸されている部屋数の合計÷その建物の全部屋数

なお建物も土地と同様、貸している分だけ財産評価が下がります。

固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)

次回以降、節税対策を具体的にご紹介します。

職場での妊産婦への接し方

近ごろ「マタニティー・ハラスメント」という言葉を耳にします。妊娠中の女性に気持ちよく働いてもらうために、普段の言動でどんな点に注意すればよいでしょうか。

Aハラスメント(Harassment)とは「嫌がらせ・いじめ」という意味で、発言や行動が相手の尊厳を傷つけたり、不利益や脅威を与えることを指します。相手を不快にさせる性的な言動をする「セクハラ」、職務上の地位を使って精神的・身体的苦痛を与える「パワハラ」などはよく知られています。

マタニティー・ハラスメント(マタハラ)も最近報道される機会が増えてきました。妊娠、出産した女性社員や派遣社員が心ない言葉で傷つけられたり、嫌がらせを受け、自主退職に追い込まれたケースもあります。また、「妊娠を告げたら辞めろと言われた」など妊娠・出産を理由として解雇された例もあります。

家計的な事情や生きがいの追求などから、産後も働き続けたいと思う女性は増えています。いっぽう少子化で労働人口が減少するなか、政府も女性が活躍できる社会の創出を打ち出しています。にもかかわらず、第一子出産後、仕事を続ける女性の割合は4割弱と、80年代からほとんど変わっていないのが実情です。働く女性が安心して産休・育休を取れる環境が30年近く実現していない要因としてクローズアップされてきたのが、マタハラというわけです。

マタハラは法律で定義されているわけではありませんが、労働基準法や男女雇用機会均等法、育児・介護休業法などに照らし、以下の状況は違法とされています。

  • 育児休業規定がない
  • 妊娠した従業員を解雇する
  • 妊娠後も残業を強いる
  • 出産した社員をパートにする
  • 育休後、職場復帰できない

また、働く妊産婦を傷つける言葉の例としては、次のようなものがあります。思いやりから出た言葉でも、相手を追い込む場合もあるため注意が必要です。

「妊婦は残業なしでいいわね」

「フォローする身になってよ」

「子供がかわいそうじゃないの?」

「無理して両立しなくてもいいんじゃないの?」

妊産婦側も感謝していることをこまめに伝えたり、周囲への気配りは必要です。

 

4人に1人が経験あり

連合が今年5月に行った「マタハラに関する意識調査」によると、「マタハラにあったことがある」と回答した人がおよそ4人に1人(25.6%)いて、「セクハラにあったことがある」(2012年調査)と答えた17.0%を大きく上回りました。

同調査では「働きながら妊娠・出産・子育てする権利が法律に定められていることを知らない」と答えた人も5割強(50.3%)と、非常に高い割合でした。マタハラを引き起こす要因としては「男性社員の妊娠・出産への理解、協力不足」(51.3%)「会社の支援制度設計や運用の徹底不足」(27.2%)等が挙がりました。

つまり、働きながら妊娠・出産・子育てをする権利は法的に守られているにもかかわらず、従業員に周知されていない点に問題があるということです。妊娠・出産・育児に関する社内規定や制度を整備するとともに、周知をはかり意識を高めていくことが重要といえます。なお、連合が作成した『働くみんなのマタハラ手帳』は、マタハラを知る上でとてもよいテキストです。連合のホームページ(http://www.jtuc-rengo.or.jp)からダウンロードできるので、ご参照ください。

いま話題の限定正社員制度って何?

最近「限定正社員」という言葉をよく聞きます。制度の中身と準備しておくべきことを教えてください。(食品製造)

現在、阿部内閣が推し進めている成長戦略(雇用分野)における規制改革のひとつに「限定正社員」(ジョブ型正社員)制度の創設があります。今しきりに話題にのぼっていますが、背景には今年改正された労働契約法による有期労働契約の新ルールがあるようです。

新ルールとは①有期労働契約の期間は更新を含めて最大5年まで②通算5年を超える有期労働契約が締結されたときから無期労働契約への転換申し込みの権利が付与されるというものです。

②により将来、有期労働契約を無期契約へ転換する制度を構築する必要性が生まれ、「正社員でない無期労働契約」形態として限定正社員がクローズアップされることになったわけです。限定正社員は、非正社員の有期契約が無期化した際のいわば受け皿的な労働形態といえます。

正社員と限定正社員との違いですが、通常の正社員は労働契約の期間がなく無期)、転勤や職種変更、時間外労働があるのが前提です。これに対し労働契約の期間がなく、勤務地や職種、労働時間のいずれか(または複数)が限定されているのが限定正社員(正社員ではない無期労働契約)です。政府は2014年度をめどに法整備を目指しています。

では限定正社員制度が設けられることにより、どんな影響が考えられるでしょうか。メリットとしてまず、非正社員の雇用が安定することが挙げられます。従業員の中には雇用の安定(無期雇用)を希望しているものの、転勤や職種変更を望まない人もいるので、限定正社員として雇うことで、雇用の安定を図ることができます。

ワークライフバランスの促進や、転職市場の形成も期待できます。労働条件が限定されることで、子育てや介護といったライフサイクルに応じた勤務環境が整備されます。女性の労働参加を促し、活躍の場も広がっていくでしょう。また転職市場が形成されやすくなり、自身のキャリア形成をより意識する機会が増えるはずです。

いっぽう問題点として実際の企業現場では、就業規則や労働契約で限定正社員の位置づけを明確にせず、あいまいなまま適用されてしまうおそれがあります。勤務地限定の労働契約では、勤務先の事業所が閉鎖された場合、容易に解雇されたり、正社員から限定正社員へ格下げがおこなわれるのではといった懸念も生じるかもしれません。

雇用主として求められるのは、就業規則や労働契約でルールを明文化することです。就業規則などにおいて明確に規定することと、とくに労働条件通知書(労働契約書)に職務内容・勤務場所を記載しておくことは今後必須となるでしょう。

限定(勤務地、職務)条件が消失した際の解雇ルールを明確化することも重要です。解雇は労働契約法によって厳格なルール(解雇権濫用の法理)があります。解雇をするためには客観的な合理性や社会的相当性が求められることを心しておかなければなりません。

解雇が有効かどうかは、最終的には司法判断に委ねられます。いずれにせよ、今後の議論をしっかり注視していくべきテーマであることは確かです。

事業計画で自社の弱点を見つける

先般、阿部政権の成長戦略の一環としての「創業補助金」(1社100~700万円)の一次募集で526の事業が採択されたという発表がありました。一般的に新規事業の成功率は10%以下と言われており、今回採択された526件の新規事業も3年後には成否が明確になっていることでしょう。

今回の補助金を申請するためには、写真のような「事業計画書」が必要でした。この事業計画の各項目を的確に書けた人はこの創業で大失敗を避けられるでしょう。事業計画はビジネスを俯瞰した「儲けの全体像」であり、全体を見通しながら行動することで、見込みのないビジネスへの過大投資回避や、将来性のある商品・サービスの継続的開発が可能になるからです。今回のこの「事業計画書」を通して自社の事業のほころびを見つける視点をご紹介します。

儲けの全体像を振り返る

1商品・サービスの特徴・独創性

まずは、自社の商品・品ぞろえの特徴や優位性は何なのかを分析してみます。そのためには、お客様にとっての「当社以外の選択肢・代替案」(競合店舗や競合商品など)を調べあげ、当社との違いを出してみるとよいでしょう。

売り上げ不振の多くは、お客様が競合他社・代替商品を選んだ、あるいはその商品ニーズそのものが少ない、ということが原因です。かつて「ウリ」だったものも、今の時代・お客様のライフスタイルには合わなくなっているかもしれません。そんな場合には、多くのお客さまのニーズに合う形で、新しい商品やサービスを作ることが欠かせません。

2市場の特性、市場規模

自社の商品を購入する人が市場に十分にあるかどうか、その増減傾向を統計資料などを使って把握します。日本の人口自体は2008年をピークに減少していますが、例えば「ペットを愛する人口」「豊かな暮らしをしたいシニア人口」などは増加しており、そういう有利な市場を見つけることが経営者の需要な仕事です。

3売り上げ・利益等の計画

3ヵ年の売上高・原価・販売管理費・営業利益高を計画してみましょう。売上高を書いたら、それを達成するために、平均客単価をいくら、1日の目標客数を何人に設定する必要があるかを計算してみるとよいでしょう。将来像を具体的に数字で描くことで、販促策やビジネスアイディアが生まれてきます。

4その他

「価格設定や販売促進活動」「事業開始動機、将来の展望」「経営者やスタッフのノウハウ・技術・人脈等」「資金調達方法」などを検討していきます。「会社の経営を計画したとしてそれがその通りになることはない。しかし、計画しないよりも断然いい成果が出せる」とは、ピーター・ドラッカーの言葉です。上記のような視点で節目節目に経営戦略・事業計画を立てることは、冷静な戦略眼を養うために欠かせないことです。

消費税法改正への対応(急務となっている「95%ルール改正」対策)

2段階の税率引き上げで現在の2倍、10%になることが予定されている消費税。駆け込み需要への対応や価格転嫁対策など経営者がなすべきことは山積みしているが、意外に知られていないのが、23年度税制改正で行われた「95%ルール改正」の影響だ。前号に引き続き、畑中孝介税理士に解説してもらった。

Qそもそも95%ルールとは何ですか。

A企業が納める消費税は原則として、課税期間中の課税売り上げに含まれる消費税額から課税仕入れに含まれる消費税額を控除して計算します。これは消費税を二重、三重に課してしまうことを避けるためです。また課税仕入れの消費税額については、あくまで課税売り上げに対応するもののみが仕入れ税額控除の対象になり、非課税売り上げに対応するものは対象とはしないのが原則ですが、取引一つ一つをきっちり区分するのはとても手間がかかるもの。こうした事業者の事務負担に配慮する観点から、売上高の95%以上を課税売上高が占める場合は便宜的に仕入れ税額控除を全額認める、という制度がこれまで利用されてきました。これを一般的に消費税の95%ルールと呼んでいます。

Qそのルールが23年度税制改正で変わったと……

Aはい。この95%ルールを適用した場合、本来仕入れ税額控除が適用されない部分まで仕入れ税額控除が適用できることになり、本来の税額に比べ納付税額が減少する「益税」が発生することが問題視されていました。消費税が5%から10%になれば、益税額(国税当局からみれば税の取り漏れも)2倍になります。この影響をできるだけ抑えるため、平成23年度税制改正で、課税売上高が5億円超の事業者については95%ルール適用から除外することが決まったのです。Q適用を除外された会社はどうしたのでしょうか。

A課税売上高が95%未満の企業と同様、「一括比例配分方式」と「個別対応方式」どちらかの計算方法で消費税額を算出することになりました。詳しい説明は省きますが、一括比例配分方式は事務負担が軽い簡便な手法、個別対応方式は原則に則った手間がかかる手法ととらえておけばよいでしょう。

Q算出方法の選択によって税額に違いは出ますか。

A売上高と仕入れの内容によって異なるので一概には言えませんが、一般的には個別対応方式を採用した方が企業にとって有利になるケースが多いといえます。しかし実際のところは、実務上の手間を考えて一括比例配分方式を選んでいる会社がかなりあるのではないでしょうか。「数十万円ぐらいの差だったら、手間もかかるしあきらめて一括比例配分方式を選ぼうか」ということは大いにあり得るからです。しかし消費税法の改正で税率が最終的に2倍に引き上げられるとなると、事情は違ってきます。両方式の納税額の開きも2倍になるからです。

たとえば売上高10億円規模の企業であれば、消費税5%の段階で一括比例配分方式と個別対応方式の税負担差額は30~50万円程度になるケースが考えられます。税率が10%になればこれが単純計算で60~100万円になるわけですね。消費税が廃止されたり税率が下がったりするということはまず考えられませんので、仮にこの状態が10年続いた場合、累計で600~1000万円の差が生じることになります。このようにデメリットが2倍になり、なおかつひたすら続くことを考えれば、税率が上がる前にきちんと個別対応方式を選択できる体制を整えておくことが大切でしょう。

Q個別対応方式を選ぶにはどうしたらよいでしょう。

A個別対応方式を選ぶには、消費税の課税仕入れを①課税売り上げに対応するもの②非課税売り上げに対応するもの③共通して対応するもの―の三つに分ける必要があります。①は全額控除の対象になりますが②は控除の対象外で、③は全体の売上高に占める課税売上高の割合に比例した額が控除対象となります。非課税売上高というのは一般的な会社では預金の利息や株の売却に関するもの、社宅の賃貸料などに限られ、全体の売上高の割合からすれば小さいはずですので、②の部分はそんなに大きな額にならないでしょう。したがって、①と②どちらにもあてはまらず③に振り分けられるものをできるだけ①にもっていく、というのが実務的なポイントになります。

Q具体的にはどのようなケースが考えられますか。

Aたとえば電話代の請求書が来た場合、それ以上詳しく区分されていない場合は③の共通対応にするしかありませんが、営業部門やコールセンター部門、つまり課税売り上げに対応する電話代であることがきっちり区別できていれば、①に振り分けることができます。

また広告代を例にとると、会社案内や名刺広告などは③の課税・非課税に共通するものとみなされますが、製品カタログや製品広告は非課税売り上げに対応するものと考えられます。商品名を連呼するテレビコマーシャルは①になりますが、企業名をいうだけでは③に区分されるということです。同じように、社長が飲みに行く相手が取引先であれば①になるし、銀行員と行けば③になります。

Q支出がどの売り上げに対応しているのか細かく管理していく必要があるということですね。

Aはい。支出内容を明確にすることと、それがどの部門に帰属している支出なのかをきっちりと区分することが極めて重要なポイントになります。しかしよく考えてみれば、会計の透明化と部門部経営管理の徹底が図られていれば、それは自然と実現できるもの。消費増税のこのタイミングを好機ととらえ、部門別で課税区分の集計ができるような会計システムへの切り替えなどを検討してみてはいかがでしょうか。セグメント管理の徹底と支出の透明化が経営管理の強化につながり、翻ってそれが消費税の適正化を含めた税務リスクの低減にもなる―このような一石二鳥にも三鳥にもなる状況を生み出すことは、決して不可能ではないはずです。

共通番号制度とは何か

今年5月24日、「共通番号(マイナンバー)法」が成立し、2015年10月から「個人番号」の通知が始まる。共通番号制度とはそもそもどういうものなのか、中小企業ではどのような対応が必要になるのかを専門家の富士通総研主席研究員の榎並利博氏に聞いた。

Q
今年5月、社会保障・税の共通番号(マイナンバー)法が国会で成立しましたが、そもそも共通番号制度とはどういうものなのかを簡単に説明してください。

A
共通番号制度とは、国民一人ひとりに12ケタの「個人番号」を割り当て、税の徴収や社会保障給付などに役立てようというものです。これが創設された背景には、主に二つの要因があります。

従 来、番号制度として「住民基本台帳ネットワークシステム(通称:住基ネット/2002年8月稼働)」の「住民票コード」がありましたが、これが社会のなか でほとんど使われなかったことが第一の要因です。なぜ使われなかったのかといえば民間の利用は一切禁止するとか、法改正時(1996年)に納税目的では使 わないことを付帯決議するなど、非常に制約がある番号だったからです。

もう一つの要因は、税や社会保障制度のあり方を見直す必要性が出てき たことです。国民皆保険、国民皆年金制度ができたのは昭和30年代ですが、そのころと現在では人口構造や経済成長率が全然違います。他方で、国と地方を合 わせるとGDPの2倍を超えるような債務を抱え、財政基盤の立て直しが問われています。

この二つの問題を解決するには社会保障(給付)と税(負担)の仕組みを抜本的に改めなければならず、そのためには、個々人の所得や給付状況を正確に把握する必要があります。そこで、さまざまな個人情報をひも付ける手段として考えだされたのが今回の共通番号制度です。

Q
個人番号の利用範囲を教えてください。

A
利用範囲は、当面、社会保障分野、税分野、災害対策分野の三つですが(図表1参照)、施行3年後の2018年10月をメドに民間や医療への利用拡大を検討することになっています。

施行までの流れは、まず個人番号を2015年10月をメドに市町村が住民に個人番号を記載した紙の「通知カード」を郵送して知らせます。

次 に16年1月から番号情報が入ったICチップを埋め込んだ顔写真付きの「個人番号カード」を市町村の窓口で交布します。そして17年1月から「情報提供 ネットワークシステム」(P24の囲み記事参照)を介して行政機関同士などの「情報連携」が始まります。ちなみに、この個人番号カードに添付される顔写真 は、本人持参のものにするか、あるいは市役所が現場で撮影するかはまだ決まっていません。

共通番号制度が導入されると、税金や社会保障の申 請・手続きがどのように変わるのでしょうか。一例を挙げれば、老齢年金給付の場合、現在は年金請求書を提出しなければ給付を受けることはできませんが、将 来的には「マイ・ポータル」(後述)を通じて「年金給付についてのお知らせ」などの情報が行政機関から通知されるようになります。これによって、請求を忘 れて権利を失うというようなことがなくなります。

Q
共通番号制度の導入にはどれぐらいの費用がかかるのでしょうか。

A
国会答弁などによれば共通番号制度を構築するための初期投資は約2700億円、年間の運用コストは約400億円といわれています。一方その経済効果については、「わたしたち生活者のための『共通番号』推進協議会」(代表:北川正恭

早 稲田大学大学院教授、 事務局:公益財団法人日本生産性本部)が行った試算によれば、①社会保障や税に関する事務の合理化などの効果が約3000億円②医 療機関の事務の合理化などの効果が約6000億円③企業内の事務の合理化などの効果が約2500億円―合計で年間1兆1500億円の効果があると推計して います。

付番、本人確認、情報連携が共通番号制度の“3大要素”

Q
共通番号制度を実現するうえで付番、本人確認、情報連携が“3大要素”といわれていますが、それぞれどのような役割を果たしているのかを教えてください。

A
付番とは、国民一人ひとりに唯一無二の個人番号を割り当て、最新の氏名・住所等基本情報と関連づけることです。これに対し、本人確認には二つの概念があり ます。一つは個人番号がそれを提示した当事者のものであることを確認するという意味です。通常の確認であれば今の運転免許証と同様、個人番号カードに添付 された顔写真をみればチェックできると思います。それ以上に厳格な確認が求められる場合は、本人しか知らないパスワード(PINコード)を入力してもらい ます。他人の個人番号をだましとるような「なりすまし」を防ぐためです。二つ目は一般的に使われる本人確認という意味です。具体的には、申請や届け出など の手続きを行うとき、個人番号カードを提示すれば本人であることを簡単に証明することができます。

情報連携とは複数の行政機関において、行 政機関ごとに管理している同一人の情報をひも付けして、その情報を相互に活用することをいいます。この三つの要素を有機的に結びつけることで個人が確実に 特定(実在性の確認)され、個人番号が本人のものであることを証明(同一性の確認)でき、個人情報をひも付けることができるわけです。

Q
個人番号はどのような方法で国民一人ひとりに割り当てられるのでしょうか。

A
土台は住民票コードにあります。すでに住民票コードが登録されている人以外に、共通番号制度の導入後に出生などで新規住民が発生した場合、市町村はその住 民に対して住民票コードを割り当て、「地方公共団体情報システム機構」(P24の囲み記事)へ通知します。同機構はその住民票コードからある関数を使って 12ケタの個人番号を生成し、それを市町村に通知します。市町村ではそれを住民票に記載するとともに、その住民に通知カードで通知するという流れです。

Q
情報連携はどのような仕組みで行われるのでしょうか。

A
情報連携は、個人番号とは異なる「符号」を使って行われることになります。それは最高裁が住基ネット合憲判決を出した理由として《本人確認情報の提供が認 められている行政事務において取り扱われる個人情報を一元的に管理することができる機関または主体は存在しない》」としているからです。つまり、直接個人 番号を使って情報連携を行えば、一元的な管理とみなされるという懸念から、個人番号を使わずに、別の方法として考えたのが符号なわけです。

で はその符号は誰がどうやって生成するのか。答えは、情報提供ネットワークシステムによってです。同ネットワークは、まず住民票コードから可逆暗号関数を 使って「IDコード」(符号のもととなる符号)を生成し、次にこのIDコードから可逆暗号関数を使って、それぞれの行政機関向けに符号を生成するという仕 組みです。例えば、X氏の住民票コードを「100番」、IDコードを「200番」とすると、A機関で保有されるX氏の符号を「300番」というふうに、共 通番号法の「別表第二」で定められている行政機関(都道府県、市町村、健康保険組合等)ごとに異なる符号が割り当てられます。国民一人ひとりに、相当数に のぼる行政機関向けの符号が付けられるということです。

その情報連携のイメージをわかりやすく示したのがP25の図表2ですが、それは情報 提供ネットワークシステムを仲介して行われます。例えば日本年金機構が同ネットワークシステムに対し、C市に住む「番号花子」さんの所得情報をC市からも らいたいと要請すると、①同ネットワークシステムはその要請が別表第二に基づく業務上、あるいは機関として正当であるかどうかをチェックするとともに、花 子さんの符号A(200番)からIDコードを生成し、このIDコードからC市における花子さんの符号C(300番)を生成します。②そして同ネットワーク はC市に符号C(300番)の所得情報を日本年金機構に送信しなさいといった指示を出しますが、その際、C市は日本年金機構に対して一時的な番号を使って 符号C(300番)の所得情報を送信することになります。

万が一同ネットワークシステムがC市に日本年金機構での花子さんの符号は200番 と教えてしまうと、C市での300番と日本年金機構での200番は同一人物であるということが分かってしまいます。それは一元管理につながるため「アクセ ストークン(許可書)方式」がとられることになっています。これは「案件」ごとに符号とは異なる番号をつけて情報連携することです。簡単にいえば日本年金 機構に、その要請を例えば「500番で受付しました。C市から500番の情報がきます」と教え、C市には「500番という番号を使って300番の花子さん の所得情報を教えてあげなさい」というわけです。こうすればお互いの番号をわからなくして、やりとりすることができます。このケースはあくまでも教え方を 示したものであり、実際のシステム設計はこれからになります。

民間企業はどのような対応が必要か

Q
今回個人番号だけでなく「法人番号」も導入されることになっていますが、これはどのように割り当てられるのでしょうか。

A
法人番号は13ケタで、国税庁長官が番号を指定し、各法人に通知することになっています。法務省が保有する「会社法人等番号」を基礎として付番することに なっていますが、その対象は①国の機関、地方公共団体、設立登記のある法人②税務署に開業届け出等を行った法人または人格のない社団など③付番を求める届 け出をした法人または人格のない社団等です。

Q
共通番号制度の導入によって民間企業が行わなければならないことは……

A
個人番号を取り扱う機関として「個人番号関係事務実施者」と「個人番号利用事務実施者」の二つがありますが、前者は行政機関等へ個人番号付きの書類を提出する法人を指し、後者はそれらの書類を受けて業務で個人番号を利用する国や地方公共団体などのことです。

民 間企業は主に個人番号関係事務実施者の立場として、個人番号を取り扱います。具体的には社員ごとに所得税の源泉徴収、住民税の特別徴収、社会保険料(医療 保険、介護保険、年金保険)の支払い業務などがその対象になります。このため、扶養控除の関係から社員だけでなく家族の個人番号も教えてもらい、それらを 従来の「人事・給与システム」に記載・管理できる形にバージョンアップする必要があります。

また、例えば新聞・出版社がコラムを執筆した大 学教授に原稿料を支払う場合、2016年以降は、その人の振込先でなく個人番号も教えてもらい、税務署に提出する「支払調書」にはその教授の個人番号と新 聞・出版社の法人番号も記載することになります。このように、個人や法人を対象とした取引結果を毎年大量に税務署に法定調書として提出している企業では、 取引相手の個人番号や法人番号を設定しておく必要があります。

他方で、民間企業でも一部個人番号利用事務実施者となる場合もあります。それ は確定拠出年金法によって規定された事業主の場合です。例えば確定給付企業年金法に該当する事業主の場合は、老齢年金や脱退一時金支給に対して個人番号を 使って管理していくことになります。さらに別表第二の情報照会者としても位置付けられることになるため、情報提供ネットワークシステムを介して厚生労働大 臣および日本年金機構に対し、年金給付関係情報を照会できるようになります。

Q
共通番号制度では、個人のプライバシー問題についてどう対処されているのでしょうか。

A
これまでも住基ネットの導入に際してプライバシー問題に対応してきており、それを一層強化した内容になっています。とくに注目したいのは、情報提供記録の 自己確認と第三者機関(特定個人情報保護委員会)です。前者が「マイ・ポータル」と呼ばれているもので、個人番号カードを使って自分だけがみられる自分専 用のページにアクセスできるというものです。これによって、自分の情報がいつどの機関からどの機関へ提供されたのかを確認することができます。のみなら ず、行政機関が保有している自分の情報内容を照会したり、行政機関からのお知らせを受け取ったり(プッシュ型行政サービス)、申請や届け出を行うと(ワン ストップサービス)も、今後予定されています。

Q
2018年に個人番号の利用拡大が検討されることになっていますが、どうみておられますか。

A
将来的には医療分野にも利用されていくとみています。医療分野は国民にとって最も身近な分野であるとともに、その導入効果も大きいからです。例えば電子化 したカルテを個人番号で管理すれば、どこの病院でも過去の治療歴を確認することができます。こうした医療体制に改めれば、万が一東日本大震災のときのよう に、紙のカルテを消失しても治療に遅れが出るようなことはないのではないでしょうか。

「仕入れ税額控除の記載要件」に要注意

―消費税増税の前に当局の姿勢が厳格化

消費税増税を前にした、税務当局のある動向が話題になっている。「帳簿の記載要件」を満たしていないことを理由に、仕入れ税額控除が認められないというケースが散見されるようになったのだ。前出の畑中孝介税理士はいう。

「今年に入ってすでに、記載要件漏れで消費税の控除が否認されるケースを数件耳にしていますね。1件は取引先の名称が記載されておらず、課税仕入れの控除が全額否認されたといいます。そうなれば売り上げの数%の利益相当額が一瞬にして吹き飛ぶことになり、場合によっては過去にさかのぼって否認されるかもしれません。延滞金や過少申告加算税なども含めるとなると、企業の存続にかかわるようなケースも出てくるのではないでしょうか」

控除されることを見込んでいた金額が突如として認められなくなるというから大変である。しかしそもそも仕入れ税額控除の記載要件とは何か。消費税法第30条第8項では、仕入れ税額を控除するために帳簿に記載すべき取引内容について次のように定めている。

  • 課税仕入れの相手方の氏名または名称
  • 課税仕入れを行った年月日(課税仕入れを行った年月日が異なる場合にはその日付も)
  • 課税仕入れに係る資産または役務の内容
  • 課税仕入れに係る支払い対価の額(税込み)

畑中氏によると、大手ベンダーが提供している会計システムやERP(統合業務)パッケージでは、「取引先欄と摘要欄が一行になっている」などこの規定がそもそも意識されていない仕様になっているケースも多いという。そのためこの記載要件を満たしていない事例は潜在的にかなりの数にのぼることが懸念されているのだ。

注意が必要なのはこれだけではない。この仕入れ税額控除を受けるためには、帳簿と請求書それぞれに取引の内容を記載しなければならないのである。

「消費税法第30条7項には、税額控除を適用するためには『帳簿および請求書等』」の保存が要件になると明確に定められています。しかし消費税導入当初はこの文言が『帳簿または請求書等』だったので、『請求書に書いてあるから帳簿の記載は不要』と考えている経理担当者はまだ多い。こうした誤解をただし、記載要件を満たした帳簿と請求書双方をしっかり保存しておくことが重要になります」

課税適正化の「本丸」

税務調査は通常、法人税がメーンの対象で、付随的に消費税を調査するのが一般的だが、「大規模法人などでいきなり消費税の調査に入る」(畑中氏)ケースがおととしあたりから出始めているという。なぜここにきて当局は税額控除の記載要件のチェックを厳格化しているのか。

「2段階の引き上げ後の消費税額はこれまでの倍になります。したがって消費税の取り漏れがある場合はその額も2倍で財政に与える影響も大きくなることから、『本来還付されるべきでないものを還付するわけにはいかない』と記載要件に合致していないものについては否認するスタンスに変わりつつあるのではないか、とみています」(畑中氏)

確かにここ数年の税制改正では、事業者免税点制度における基準期間の見直しや自販機スキームの禁止、95%ルールの改正など消費税の課税適正化に関連するものが目立っていた。消費税増税を前にした「外堀」を埋める一連の作業が25年度の税制改正でひとまず終わり、いよいよ「本丸」の記載要件の適正化に本腰を入れつつあるのが現状だという。畑中氏はこう警告する。

「昨年あたりまでは脅しのレベルでしたが、今年に入り実際に否認事例が発生しびっくりしています。国税の動きは相当早い。そもそもこれは税務コンプライアンスの根幹にかかわる問題で、否認されたらそれを覆すことはできません。帳簿の記載要件のチェックや調査、否認件数は今後急増すると思いますが、この消費税増税のタイミングで適正化を念願に置いたシステムをきちんと選ぶ経営判断も必要でしょう」

印紙税率引き下げで負担軽減

印紙税率引き下げで負担軽減

改正ポイント
事業者等の負担を軽減する観点等から、印紙税の非課税記載金額が3万円未満から5万円未満に変更されます。

(1)金銭等受取書(領収書など)の印紙税非課税記載金額引き上げ

金銭または有価証券の受取書に係る印紙税の規定について、記載金額が5万円未満(改正前3万円未満)のものには、印紙税が課されないことになります。
適用:平成26年4月1日以後に作成される受取書から適用されます。

(2)不動産譲渡契約書の印紙税率の引き下げ

不動産の譲渡に関する契約書等に係る印紙税の特例税率について、適用期限が平成30年3月31日まで5年延長され、税率が引き下げられます。
適用:平成26年4月1日以後に作成される文書に係る税率が引き下げられます。

以上が平成25年度税制改正の主な内容です。細かな規定等がありますので、当事務所へお問い合わせください。
本誌は「平成25年度税制改正の大綱」(閣議決定・1月29日)等をもとに作成しています。

相続税の基礎控除を4割縮小

相続税の基礎控除を4割縮小

改正のポイント
相続税等による資産の再配分機能が低下している状況を受けて、課税ベースの拡大などの見直しが行われます。

(1)相続税の基礎控除の引き下げ及び税率構造の見直し

相続税においては、次のような改正が行われます。

①基礎控除を引き下げ課税ベースを拡大
基礎控除が図表7のとおり現行の6割に引き下げられ、これまで相続税がかからなかった場合でも課税となるケースが出てきます。引き下げの影響は図表8のとおりです。

②最高税率の引き上げと税率構造の見直し

最高税率が55%に引き上げられるとともに、税率区分が6段階から8段階に改められます。

③小規模宅地等の特例適用の拡充

小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算特例について、特定居住用宅地等に係る特例の適用対象面積が次のように拡大されます。

同時に、特例の対象として選択する宅地等の全てが特定事業用宅地等及び特定居住用宅地等である場合には、それぞれの適用対象面積まで適用可能となります。

改正前240㎡までの部分→改正後330㎡までの部分

(2)贈与税の税率構造の見直し

相続時精算課税の対象とならない贈与財産にかかる贈与税率について、最高税率が55%に引き上げられるとともに税率区分が8段階に改められます。

(3)相続時精算課税制度の適用要件見直し

贈与者の年齢要件を60歳(改正前65歳)以上に引き下げ、受贈者(贈与を受ける人)の範囲に20歳以上の孫が追加されます。

適用:上記(1)~(3)の改正は、平成27年1月1日以後の相続・遺贈または贈与について適用されます。

(4)直系尊属(祖父母等)から子・孫への教育資金1500万円一括贈与が非課税

子・孫(30歳未満の者に限る)の教育資金に充てるためにその直系尊属が金銭等を出し、金融機関等に信託等をした場合、受贈者1人につき1,500万円までの金額については、贈与税が非課税とされます。

適用:平成25年4月1日から同27年12月31日までの間に拠出するものに適用されます。